平成11年度指導員検定会理論問題

問1
 次の文章は、中世から近代にかけてのスキーの歩みと技術の変遷について述べたものであ
る。文中の空欄に該当する語句を下の語群より選び記号で答えなさい。

 マチアス・ツダルスキーは、アルプスの急峻な山岳地帯に適したスキー技術を研究し、短めの
スキーと一本杖の「( 1 )」を発表した。このツダルスキーのスキー術はアルプス地方の人々に広く受け入れられ、山岳スキーは急速に普及していった。20世紀に入ると、ゲオルグ・ビルゲリーは、
ノルウェーの( 2 )やクリスチャニアを中心とした技法とツダルスキー式スキー術の両派の長所を
取り入れた二本杖で( 3 )による回転技術を中心としたスキー術を発表した。このスキー術は
アルプスで急速に進歩し、( 4 )へと受け継がれ、近代スキーの基礎が確立されていった。
 1911年オーストリアの( 5 )が新潟の高田台13師団に就任し、スキー術の講習を行った。
ツダルスキーの弟子でもあった彼が伝えた技術は、長い一本杖を用いた( 6 )と( 7 )(回転)が、その特徴であった。
 1920年には、( 8 )によって製作された映画「スキーの驚異」は、同名のスキー技術書とともに
日本のスキー界、登山界に大きな衝撃を与えた。1930年、映画「スキーの驚異」の主役( 4 )
本人が来日し、一か月にわたる映画と講演、そして実技指導は、生の情報の乏しかった日本のスキーヤーに決定的な影響を及ぼした。ホッケ姿勢、プルークボーゲン、( 9 )の習得がすべてのスキーヤーの目標になり、上級者はシュテムクリスチャニア、( 10 )の習得に全力を注いだのである。

語群
ア.ハンネス・シュナイダー
イ.アーノルド・ファンク博士
ウ.シュテム
エ.ピエール・ギョー
オ.テオドール・エドレル・フォン・レルヒ少佐
カ.リリエンフェルト・スキー滑降術
キ.バイン・シュピール技術
ク.パラレルクリスチャニア
ケ.ボーゲン
コ.半制動
サ.テレマーク
シ.シュテムボーゲン

問2
 次の各文は、スキー学習の多様なニーズに対し、指導者に求められる5つのサービスにつ
いて説明したものである。空欄に適切な語句を記入しなさい。
(1)スキーの( 1 )、技術上達の喜びの享受を手助けできる指導者{( 6 )}
(2)スキーに関する興味ある( 2 )が提供できる指導者     {( 7 )}
(3)スキー場や関連施設の快適性、( 3 )が考慮できる指導員  {( 8 )}
(4)グループやクラブの( 4 )に指導助言できる指導員     {( 9 )}
(5)( 5 )のでる行事や、スキー教室の企画・開催のできる指導員{( 10 )}

問3
 次の各文は、生涯スポーツの指導における3つのポイントについて説明しようとしたもの
である。空欄に適切な語句を記入し完成しなさい。
(1)( 1 )なければ継続しない
指導者は、スキーとの( 2 )を演出し、一人ひとりが毎回楽しく、( 3 )を得るこ
とができる質の高いプログラムを提供できるよう心がける。
(2)( 4 )アプローチの重要性
生涯スポーツの指導では、( 4 )アプローチが有効となる。指導プログラム中で学習者
の良い点を見つけ、( 5 )ことにより積極性や( 6 )を喚起させるエネルギー源と
なる。継続意欲を高めることが重要である。
(3)自由な発想と( 7 )の尊重
学習者が自分の( 8 )にあったかたちでスキースポーツを継続して楽しむことが重要
で、指導者は、その援助者や( 9 )としての役割を担っている。既成の概念にとらわれ
ることなく、自由で( 10 )な発想により、新しい感覚のスキースポーツのあり方が期
待されている。

問4
 次の文は、回転に働く力について述べたものである。下の語群から適切な語句を選んで記号で
答えなさい。

・物体が平面上で( 1 )をするためには、運動の( 2 )に向かう力(向心力)が働いていなければ
ならない。
・スキーとスキーヤーが回転するためには、( 3 )が必要である
・ターンに必要な雪面からの( 4 )は、スキーヤーがスキーを通して雪面を押す力の( 5 )として
とらえることができる。
・雪面からの抗力は、( 6 )など雪の抵抗の( 7 )である。
・向心力はターン外側に雪を押し除こうとする力に等しく( 8 )抵抗と呼ばれるものである。
・向心力に対して、( 9 )が働く。向心力と同じ大きさで、重心をターン弧の外側に向かって引く力であり、( 10 )という。スキーヤーが感じるのはこの力である。

語群
ア.摩擦抵抗  イ.雪面抵抗  ウ.中心    エ.円運動   オ.抗力
カ.遠心力   キ.反力    ク.合力    ケ.除雪    コ.慣性力

問5
 スキー技術のしくみについて問う次の各項目について答えなさい。
1.斜面を安全に、自在に滑り降りるための条件を三つ述べなさい
2.運動の課題とはなにか。
3.技術要素を三つあげなさい。
4.力の制御に必要なことを三つあげなさい。
5.技術の要点を三つあげなさい。
6.次の言葉を説明しなさい。
 (1)ポジショニング
 (2)エッジング

問6
 運動の質的な構造は、空間的、時間的、力動的の三つの要素でとらえることができる。それぞれの要素について質的に高い状態を説明しなさい。

問7
 指導内容の組み立てにあたって、前提として押さえておかねばならないことを三つあげなさい。

問8
 次の文は、スキー指導において、よい指導を実施する要素について説明しようとしたものである。
文中の空欄に適切な語句を記入し完成しなさい。

1 計画と内容について
(1)指導回数や、指導時間が少ない場合は( 1 )なことを中心に取り扱い、その内容を適切に
決める。
(2)( 2 )を上手に、嫌いを( 3 )にするための学習を決める。
(3)学習全体の積み上げを( 4 )し、その中でなにをどのように教えるかを考える。
2 管理や方法について
(1)さまざまな学習者をまとめ、学習意欲をもたせていくためには、指導者自身が( 8 )をもつ。
(2)指導効果をあげるための( 9 )を持つ。指導者は絶えず自分自身がどのように振る舞ったら
よいかということに注意を払い、考え方、( 10 )、感情の表現から容姿、音声にいたるまで心配りをする。

問9
 中高年層のスキー活動で安全面で配慮すべきことを四つあげなさい。

問10
 効率的な指導目的を達成するには、まず安全面の確保が重要な課題であるが、次の文中の空欄に適切な語句を記入し完成しなさい。

1 スキー場における( 1 )の徹底
2 服装・( 2 )の点検
3 体調と( 3 )への配慮
4 ( 4 )な学習人数
5 ( 5 )の技術の重視

問11
 次について知るところを述べなさい。

 風は空気の流れ移動する現象である。低気圧に吹き込む風は時計の針の進む方向と反対回りで中心に向かい、高気圧から吹き出す風は時計の針の進む方向に吹き出す。低気圧が接近した場合、自分の位置の風向きによって低気圧の方向を知ることができる。『ボイス・バロットの法則』による
低気圧の位置を知る方法について簡潔に述べなさい。

問12
 ストレッチングを行うときのポイントを三つあげなさい。

注意。体をゆっくり伸ばす準備運動のストレッチングです。11年度の受験者の中で
伸ばし切換と勘違いして回答した人が多かったと、検定員が言っていました。

問13
 競技におけるアルペン種目をあげなさい。

問14
 クロスカントリー競技は走法の違いにより2種類の競技が行われている。競技の名称と走法の特徴を答えなさい。

問15
 1999年度の指導員研修会実技テーマの指導展開にある三つの技術の組み立てをあげなさい。


(注)これは問題集だけ記載しており回答はありませんのであらかじめご了承下さい。